これは今から5年程前の出来事です。
ある日こんな件名で父親からメールが届きました。
「件名:急ぎのお知らせ」
オイオイ、何かあったか?
便りがないのは良い便りとはいいますが、それがこの件名のメールが届いたことで、
自分の中に「ざわ・・ざわ・・・」と小さなさざ波が立ち始めたことが思い出されます。
本人の気持ちをおもんばかる余裕はありませんでしたが、送られてきたメールを
読み返すと当時の様々な感情が沸き上がってきました。
やはり、身近な人が癌の告知を受けるという事はショックな出来事ですよね。
現実に向き合わなくてはならない出来事が発生した訳ですから。
そこで今回は、あの時の事を忘れないようにする為、当時送られてきたメールを
ブログという形でまとめる事にしました。
ちなみに手術から5年経過していますが、おかげさまで父親は今も元気に暮らしております。
「件名:急ぎのお知らせ」 2017年5月12日
前略
突然驚かせ心配させる事になってすみません。
昨年10月、○○市民病院での定期健康診断・経過観察で肺のCT検査を
受診し「肺腺がん」の兆候が偶然見つかりました。(呼吸器内科)
今年1月に公立○○病院で気管支鏡による肺細胞採取検査をして
がん細胞は特定されず陰性となりました。が
4月にCTによる経過再検査を行い、やはり「肺腺がん」を強く疑うという
診断を頂きました。(呼吸器内科)
5月11日に同病院の呼吸器外科で再診察を受け、上記と同様の告知をされました。
(医師の診断は肺腺がんの疑い Stage1 転移なし)
今後の予定は5月23日に○○大学医学部付属病院へ移り
詳細な診断を受け、正確な病名の特定と医療計画を進める事になっています。
私にも妻にも心穏やかならぬ日々が続き、皆にも心配やお手数をかける事になると思いますが、
二人を応援サポート頂ければ幸いです。
早々
「件名:5月23日 ○○大学医学部付属病院 診察結果」 2017年5月23日
心穏やかでない日々が続きますが
5月23日 呼吸器外科(○○医師) 診察結果は次の様でした。
これまでのCT検査記録等に基づいて診ると
肺左上葉部に肺腺がんの疑い、ステージ1Aの疑いです。
患部のがん化進行は極めて緩やかだが、
進行を防ぐために上葉部の切除手術(現在の医療標準)を推奨されました。
肺がんでない可能性も僅かに残っていますが、
手遅れになったり、いつまでも不安を抱えたまま過ごすのも辛いので
外科手術に同意しました。
今後の予定(余病や転移の有無、体力の検査、危険予知)
6月1日 PET検査(頭部を除く全身)、肺機能検査
6月6日 MRI検査(頭部)、血液検査
6月6日 以上の結果を踏まえた手術計画の策定
(手術順番待ち約1ヶ月)
「件名:入院、手術予定について」 2017年6月6日
6月6日、○○大学医学部附属病院(呼吸器外科/○○医師)にて、
1日に実施したPET検査(頭部以外の全身)、MRI検査(頭部)、呼吸機能検査、血液検査結果の診断を受けました。疑われる病名、ステージ(1a)は先に伝えた通りで、他臓器への転移は全く無い状態でした。将来の危険を回避するため、早期の手術(左肺・上葉部切除)を決断し予約しました。
(医学的な病名は術後の摘出部位の生検、遺伝子検査で確定される)
今後、6月15日に心臓のエコー検査を受けた後、手術に耐えられるか最終診断をします。診断の結果不都合が無ければ、
入院は6月22日、手術は6月23日予定になります。(時刻未定)
入院期間は個人差がありますが、概ね1週間~10日程だそうです。
手術・入院に際して(お願い)
緊急時連絡先を妻・長男・次男・三男の順で登録しました。
債務連帯保証人を長男としたい。
(金銭的保証の心配は当方に備えが有るので無用)
6月21日迄に本日持ち帰った「入院申込書」に署名・捺印をお願いしたい。
全てに関する身元引受人を妻としました。
家族等の面会に備えて、面会申込窓口での「面会案内」を許可する旨
申請しておきます。
(来院の都度、面会許可手続きと面会者ラベルが渡されます)
以上、心穏やかならぬ日々がまだまだ続きますが心境ご理解ください。
「件名:診察経過」 2017年6月15日
前略
先日の心電図検査に続き、6月15日(木) に心臓のエコー検査と診察を受け、持病の軽い「不整脈(動悸)」を再確認しました。
引き続き、6月20日(火)には運動負荷検査、24時間携帯型ホルター心電図検査を受診する予定です。
入院予定日の6月22日(木)午前中に以上の結果を総合診察し、手術可否の決定、手術可の場合に備えた応急対策を決めます。
6月23日(金)の手術予定は先日連絡した状況と変わりません。
早々
心穏やかならぬ日々が続きますが・・・
メールを読み返すと「心穏やかならぬ日々が続きますが」という言葉が繰り返されていました。
本当にその言葉に尽きると思います。
私は今回のメールをまとめながら、診断から告知、手術に至るまでの経緯を記録することで、
起きている事象を客観的に把握し、気持ちを整理することで感情に流されず、
生きる為にするべき事を明確にした上で、そこに集中していく様を学びました。
後日談として
実は術後、血栓が片方の腕へ飛び、再度取り除く手術をしたのです。
腕が異常に冷たくなり、異変を感じたそうです。
早期発見で助かりました。
手術から5年経過し、父親は今も元気に暮らしております。
元気があれば何でもできる!
今日も健康第一でがんばりましょう!
コメント